『サイコだけど大丈夫』の感想|良かった点と少し惜しかった点も

サイコだけど大丈夫韓国ドラマ
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https://www.netflix.com/jp/title/81243992

今NETFLIXで大人気の韓国ドラマ『サイコだけど大丈夫』。

見終わって一番に思ったのは、感動でここまで涙したのはいつぶりだろうということ。

見る前までは、サイコなのにヒーリングストーリー?また韓ドラによくある変なあらすじなのかな?(現実的にあり得ないと言う意味で笑)と思ったのですが、蓋を開けてみると笑えるわ泣けるわの深~い物語に一気に見入ってしまいました。

脚本、キャスト、結末と総合的に言っても、これまで見た数多くの韓国ドラマの中でもかなり出来た作品だと思います。

私が『サイコだけど大丈夫』を見ての感想、そしてなぜ完成度の高い作品だと思ったのかを紹介していきます。

キャストの演技に拍手

ありきたりかもしれませんが、それでも難しい心の内面をここまで見事に演じた俳優陣の演技力がすごいです。

まずはガンテ役を演じたキムスヒョン。

幼い頃から兄の面倒を見させるために生んだと母に言われ愛に飢えてきたガンテが、葛藤しながらも兄のために自己犠牲を厭わず生きてきた孤独な青年役。

序盤のガンテは殻にこもり人との関係を持とうとせず、自ら孤独を選んでいるように見えました。

そんなガンテがムニョンに出逢い、初めて人を愛することや家族というものを知り、徐々に表情が変化していく、その様子はさすがキムスヒョンです!

無表情な中でも視聴者を惹き込む目の演技は、このドラマの全貌を語っていました。

ガンテ役のキムスヒョン
https://m.blog.naver.com/rana0626/222008426857

また、ムニョン役のソイェジの新しい一面が見られた作品でもありました。

なんせこの作品での彼女はとにかく派手で、現実にこんな人がいたら二度見してしまうレベル(笑)

心は子供のまま誰にも助けてもらえず大人になってしまった女性を体当たりで演じていて、時折見せる暗い表情の美しさは絵画のよう。

また見ているこちらも清々してしまうほどのサイコパスぶりで、この役は彼女以外には考えられないと思うほど型にハマっていました。

ムニョン役のソイェジ
https://m.blog.naver.com/rana0626/222008426857

そんな2人が織りなす感情のやり取りは絶妙で、そこらへんの愛の物語とは比較にならないくらいに心に響くものがありました。

孤独すぎる2人だからこそ共感し合い放っておけなくなり愛さずにはいられなくなる過程は感動で、キムスヒョンとソイェジのケミ(演技の相性)は抜群でした。

キムスヒョンとソイェジのケミ
https://m.blog.naver.com/angle007/222055137776

 

そして何より拍手を贈りたいのが、サンテ役を演じたオジョンセです。

いつもはコメディ担当でどの作品も笑わせてくれるキャラクターを見せてくれていたこの方が、今回は自閉症の役を演じました。

サンテ役のオジョンセ
https://blog.naver.com/PostView.nhn?blogId=skt9386&logNo=222055779465

何だか可愛げのあるキャラクターで、劇中の正直すぎるコメントには何度も笑いました。

そんなサンテが兄としての自覚を持ち、ガンテの幸せを考え始める…

かなり難しい役どころだったと思うのですが、全く違和感なく自閉症の青年役を演じ、そんな中で心の変化を演じた彼の演技に感動しないはずがない!

これまでに見た中でもトップレベルの見事な演技でした。

キャラクターの成長ぶりが親のように嬉しい

このドラマ、メインキャラクターの3人共が親と育つことができず、孤独に生きてきました。

笑顔なんて一切見せないガンテ、蝶に怯えるサンテ、そして派手な服を着て弱い自分を隠し守っているムニョン。

そんな3人が出逢ったことで、全員が劇的な変化を遂げます。

ガンテは人を愛することを知り、サンテとの関係に悩み、自分の人生を見つめ直します。

人を拒絶ばかりしてきたムニョンは人を受け入れることを許し、初めて孤独から脱します。

2人ともが、初めて”家族”というものに触れ、その憧れを叶えていく様子は涙なしでは見られません。

サンテと一緒に3人で撮った”家族写真”はその象徴でしたよね。

ガンテとムニョンとサンテの家族写真
http://program.tving.com/tvn/tvnpsycho/4/Board/View?page=2&b_seq=80

そして何よりも、やっぱりサンテの成長が著しい!(笑)

当たり前ですがガンテがいないと不安で生活ができなかった彼が蝶のトラウマから自ら脱し、最後は敵から弟と妹を守り、画家として成功します。

主役はサンテだったかな?と思ってしまうほどに彼の成長に重点を置いても感動の物語が成り立つくらい、彼の変化が親のように嬉しく感動的でした。

登場人物がとにかく温かい

この物語、ガンテとムニョンの親以外はみんな心が温かく優しい人物が多く描かれています。

特に忘れられないのがこの方。

ジュリの母役のキムミギョン
https://m.post.naver.com/viewer/postView.nhn?volumeNo=28538203

ジュリのお母さんであり、もはやみんなのお母さん!!

赤の他人にも関わらずサンテの面倒も積極的に見てくれて、娘ジュリを受け入れなかったにも関わらずガンテを実の息子のように心配します。

最後にムニョンの心を動かしたのも、ジュリのお母さんだったと言っても過言ではないくらい、人々の凍った心を溶かしてくれました。

それと同じくらい存在に感動したのが、ガンテとサンテの友人ジェス。

ガンテとサンテの友人ジェス
http://program.tving.com/tvn/tvnpsycho/4/Board/View?b_seq=40&rcnt=1

行動がなんとも可笑しくて出てくるたびに笑わせてもらったのですが、その献身的な自己犠牲愛は目をみはるものがありました。

なんせただの親友のために住まいも転々職場も転々、それでも孤独な兄弟のそばにずーっといるんです。

これ以上の愛はないのでは?と思ってしまうくらい素晴らしく温かい心の持ち主でした。

ジュリも始めはガンテへの想いからきつい態度を取りますが、結局最後にはガンテとムニョンのために動いてくれます。

ほかにもサンイン社長とその秘書も、必要もないのに身一つでムニョンを追いかけ一生懸命彼女を支える存在に。

みんなが孤独なこの3人を心配し、支えてくれる様子には心暖まること間違いなし!

個人的にはサインイン社長とジュリのサイドストーリーも、もう少し見たかったですね^^

いい雰囲気のサンイン社長とジュリ
https://m.blog.naver.com/gujk747/222059144485

やはりきたロミオとジュリエット展開も救ったのは…?

韓国ドラマによくある、過去を辿ると愛し合う2人の親同士が敵だったというパターン…はい、今回もまさにその展開でした。

途中から嫌な予感はしていたのですがやはり的中、サンテがあれほど怯えていた蝶はムニョンの母でした。

それを知った時、ムニョンを手放すまいと必死に手を伸ばすガンテと、絶対に一緒にはいられないと全力で拒絶するムニョンとの攻防は切なく痛ましかったですね。

そんな2人を救ったのもやはりこの方、みんなのお兄ちゃんサンテでした。

涙を流しながら謝罪するムニョンに、意味がわかっていないながらもお粥を食べたら許してあげると言い彼女を許すお兄ちゃん。

「喧嘩はダメ、チューのほうがいい」と、弟に早く仲直りをするよう言うお兄ちゃん。

彼の存在にガンテは勇気づけられ、ムニョンに愛を告げることができ2人は和解、ここでもサンテが大活躍でした!

ガンテを抱きしめるサンテ
https://m.blog.naver.com/alsk1130/222049406895

 

余談ですが、黒幕だったムニョンの母の部分は脚本がちょっと弱かったかな…?

20年前にどのようにして生き残ったのかなどの描写がなく、突然出てきて突然暴れ始めたイメージ(笑)

なぜムニョンをあそこまで執拗に自分の作品のように仕上げようとしたのか、そのあたりの説明がもう少しあったほうがよかったかな~と。

最後まで引っ張ってきた悪役にしては背景が薄く、そこだけは少しぼんやり残念ポイントでした。

サイコなムニョン母
https://www.ytn.co.kr/_sn/0117_202008091021524584

とは言えさすがベテラン女優チャンヨンナムのサイコぶりは鳥肌もので、この冷たい笑顔に何度も震えましたね。

最後まで一貫したサイコぶりを発揮されていて、だからこそ余計にあんなあっさりと逮捕されてしまうのではなくもっと熾烈な戦いが見たかった気がします(笑)