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『まぶしくてー私たちの輝く時間ー』のネタバレ
時間を巻き戻して父を助け、目が覚めると70歳のおばあさんになってしまったヘジャ。
老いた体でできないことも増えもどかしい日々の中で、それでも自分を大切にして今を生きようと努力します。
家族は何とか彼女を受け入れようと努力し、親友のヒョンジュとサンウンも始めは戸惑いながらもすぐに変わりない親友として元通り接してくれるようになります。
そんな中で気がかりだったのが何も言わずにまた1人にしてしまったジュナでした。
彼が気になるヘジャは、ある日たまたま連れて来られた老人施設”広報館”でジュナが働いていることを知ります。
記者になりたかったはずの彼がなぜこんなところでお年寄りに薬や保険を売りつけているのか…。
ジュナが心配で仕方がないヘジャは彼に早く記者になる道を見つけるようお説教じみたことを言ってしまい、それをうっとうしがるジュナ。
その後ヘジャは、祖母が亡くなったことでジュナが自暴自棄になってしまっていたことを知るのでした。
そうしてヘジャは広報館に通うようになり、そこで友達も作ります。
そんなある日、ヘジャが友達になった気難しいマダム”シャネルおばあさん”が自ら命を絶ってしまいます。
悲しみに暮れるヘジャに追い打ちをかけるように、シャネルおばあさんが広報館で入った生命保険の保険金の受取人がジュナになっていたために、事件の犯人がジュナだとして逮捕されてしまったという悲しいニュースが飛び込みます。
本当のところは、シャネルおばあさんはジュナを特別可愛がっており、音信不通の息子よりも気にかけてくれる優しく孤独な青年ジュナに保険を残したものでした。
成すすべもなく寝込むヘジャでしたが、警察の調査でシャネルおばあさんがジュナに残した温かい手紙が見つかり、ジュナは無罪となり無事釈放されます。
ところがその後、面倒見の良い先輩だったはずの広報館の社長ヒウォンが、ジュナが受け取った保険金を狙って彼を暴行し広報館の地下に監禁。
さらにお金に困ったヒウォンは、広報館で生命保険に加入したお年寄りを集めて遠足に行くことを企画し、そこで交通事故を起こして一気に保険金を稼ぐことを画策します。
その遠足に招待されず何かがおかしいと感じたヘジャはヒウォンの計画に気付き、保険に入っておらず遠足に招待されなかったお年寄りたちを集めて救出作戦を決行します。
高齢者なりにそれぞれ得意なことを生かしながら、遠足で事故に遭わせるはずだったバスを奪い、地下に監禁されたジュナも救出して逃げ切ったヘジャたち。
みんなが笑いながら目の前に広がる海に想いを馳せ、浜辺に立ち寄ります。
そこには、ヘジャが失くした時間を巻き戻せる腕時計をした車椅子のおじいさんもいました。
なぜかジュナを見ると発狂し、言葉を発さない謎に包まれたおじいさん。
ヘジャは彼もまた時間を巻き戻し自分の時間を失ってしまった仲間だと思っていました。
するとそのおじいさんが、ヘジャが以前奪おうとしても絶対に手放さなかった腕時計を外して、ヘジャのほうへ差し出します。
https://eclat.hpplus.jp/article/51457/06/
受け取るべきなのか戸惑うヘジャの前で、砂浜に落ちた腕時計…
と、その瞬間、ヘジャの頭の中で記憶が一気に滝のように溢れ始め、目の前に25歳のヘジャが小さな男の子と共に喪服を着て遺骨を抱えた幻想が見えます。
かと思うと、遠くから両親が自分を「母さん!」「お義母さん!」と呼びながら走ってくるのが見え、そのままヘジャは気を失ってしまいます。
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目が覚めたヘジャは病院にいました。
「母はアルツハイマー病を患っています。」そんな声と共に、目の前にはヘジャの両親…ではなく息子夫婦がのぞきこんでいます。
ヘジャは腕時計で時間を巻き戻したのではなく、70歳のアルツハイマー症を患うおばあさんだったのです。
親友のヒョンジュとサンウンは同じように年を取っていて、広報館として過ごしていたその場所はヘジャが認知症になり入っていた施設でした。
ジュナと瓜二つの青年がヘジャの担当医で、ヘジャは長い長い夢を見ていたのでした…。
http://my-favoritestory.com/2019/06/24/post-6055/
時間は戻りヘジャが25歳の頃、彼女は店頭で売られるあの”腕時計”を見つけます。
その日ヘジャはヒョンジュとサンウンと一緒に遊んでおり、デモで出逢った記者志望の青年ジュナとの恋も順調に楽しんでいました。
その後ヘジャはあの”腕時計”をプロポーズのお返しにプレゼントし、彼と無事に結婚、テサンという可愛い息子にも恵まれます。
生まれた我が子にどう接したらいいのかわからず戸惑うジュナを、一緒にゆっくり親になろうと隣で支えるヘジャ。
2人は貧しいながらも温かい家庭を築き、幸せに暮らしていました。
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そんなある日、いきなり無実の罪でジュナが警察に捕まってしまいます。
ヘジャは面会もなかなか許されず、ようやく柵越しに会えたジュナは暴行された様子でボロボロでした。
そうして夫の帰りを何日も待っていたヘジャでしたが、願い叶わずジュナは監獄の中で合併症を患い亡くなってしまいます。
絶望の中ヘジャはジュナの遺品を取りに警察に行くのですが、そこでジュナが肌身離さずつけていた腕時計がないことに気付くヘジャ。
腕時計がないと訴えるヘジャにうるさいから早く帰れと横柄な態度の警察官が叫んだ時、ヘジャはその警察官の腕にジュナにあげたはずの腕時計を見つけます。
返せと叫び、ジュナの命を奪ったのはあなたなのかと絶叫するヘジャでしたが、結局あっけなく追い払われてしまうのでした。
そうしてシングルマザーとなってしまったヘジャは、心を鬼にして息子のテサンを厳しく育てます。
交通事故により右脚に義足をつけ、そのせいで友達にいじめられ孤独だったテサンに対してもヘジャは温かく包むことはせず、1人で強く生きていけるようにとにかく厳しく接しました。
そのためテサンは母親ヘジャに対し良い感情は抱いておらず、恨みに似た気持ちを持って内気に育ちます。
70歳になってしまったヘジャに冷たい態度をしていたのは、そんな母の態度に戸惑っていたからでした。
時は現代に戻り、ある夜、車椅子に乗ったおじいさんが看護師に連れられヘジャの病室にやってきます。
どうしてもヘジャに会いたいと言ったそのおじいさんの腕には、かつてヘジャがジュナにあげたあの腕時計がありました。
そのおじいさんこそ、その昔ジュナを逮捕後暴行し、ジュナの腕時計を盗んだあの警察官でした。
言葉は発さないながら、腕時計をヘジャに握らせ号泣するおじいさん。
何十年もかけてヘジャの手元にようやく戻ってきた腕時計を、彼女は許す意味で再びおじいさんの手に返し、彼はヘジャの前で懺悔の涙を流すのでした。
「私の人生は不幸だったと思っていました。悔しい思いでいっぱいでした。
でも考えてみたらあなたとの幸せだった記憶もあるし不幸だった記憶もある。
その記憶のおかげで今まで頑張ってこられたんです。
その記憶が消えるかも知れないと思うと怖くてたまりません。
あなたが死んだ日よりも今のほうが…
あなたを忘れてしまうということのほうが私にとっては怖いんです。」
ヘジャはそう心の中で言い、ジュナの法事の日、「ずっと寂しかった人を独りで逝かせてしまってごめんなさい」と、若いまま時間が止まってしまったジュナの遺影に向かって、昔と同じ言葉をつぶやき涙を浮かべるのでした。
https://www.youtube.com/watch?v=mwAa2oWM3jo
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その後、ある雪が降った日、テサンはヘジャがいなくなってしまったと施設から連絡を受けます。
スタッフと一緒に必死に探しまわったところ、外で雪かきをしているヘジャを見つけます。
声をかけるも、既に息子のこともわからなくなっている母に、何をしているのかと尋ねるテサン。
すると、息子は足が悪いから転ばないように雪かきをしないといけないとヘジャが言います。
ふと、学生時代に帰宅する道がすべて雪かきされていたことを思い出したテサンは、それが母の愛情だったことをそこで知るのでした。
「息子はそれを知りませんよ」と涙ながらに言うテサンに、「知らなくていいんです、息子が転ばなければそれでいい」と笑うヘジャ。
テサンがずっと心に抱いていた恨みに似た感情が溶かされた瞬間でした。
「息子は雪の日ただの一度も転んだことがないって」とテサンは母の手を握りながら伝え、ヘジャは「よかった」と優しく微笑みます。
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あとからやってきたジョンウンは目に涙を浮かべるテサンの背中をさすり、泣いていいのよと抱きしめます。
一度は離婚の危機に陥った2人でしたが脚よりも心が不自由な夫を見捨てることなどできず、自分を忘れてしまった義理母でも生きている間は私がおかずを毎日持って行くと支える覚悟を見せるジョンウン。
後日、ヘジャの人生を施設で終わらせたくないため仕事を辞めてヘジャと田舎へ移住すると言うテサンに、ジョンウンはもちろん一緒に行くと言い夫婦の絆を確かめ合ったのでした。
とある晴れた日、ヘジャは外で太陽の光を浴びていました。
またも既に誰だかわからないテサンに会釈をし、テサンは隣に座ります。
そして「一番幸せだと思ったのはいつでしたか?」というテサンの問いかけに対し、ヘジャが答えます。
「特別な日ではないわ。私はただこんな日が幸せだった。
ご飯を炊く匂いが町中でし始めると私も釜に火をつけて、その頃よちよち歩きを始めたばかりの私の息子。あの子の手を引いて庭に出るの。
するとずっと向こうのほうに夕焼けが見えるの。」
そう言い、仕事帰りのジュナを迎えにテサンの手を引いて外に出て、3人で夕焼け空を見上げていた時を思い出します。
https://ameblo.jp/mako20100717/entry-12448391316.html
「あの頃が一番幸せだった。あのころが…」
そんな母の横顔を見ながら、テサンは心の中で”母はアルツハイマー病を患っているけれど、もしかしたら最も幸せだった時間の中を生きているのかも知れない”とつぶやきます。
まぶしい日差しの中、目をすぼめたヘジャの目の前にふと海が広がります。
そこには長年恋い焦がれたジュナが立っていました。
車椅子から立ち上がり、会いたくて会いたくて仕方がなかった彼の元へ走っていくヘジャ…
「これからはここで一緒にいよう、ずっと。」というジュナの言葉と共に、25歳のヘジャは涙を流しながら愛する人の胸にようやく抱かれます。
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そしてヘジャが語りかけます。
「私の人生は時には不幸だったし時には幸せでした。
人生は単なる夢に過ぎないと言うけれどそれでも生きられてよかったです。
朝の刺すような冷たい空気、花が咲く前に服甘い風、夕暮れ時に漂う夕焼けの匂い、どの日もまぶしく輝いていました。
今の生活が苦しいあなた。この世に生まれた以上その全てを毎日楽しむ資格があります。
平凡な1日が過ぎてまた平凡な1日が訪れても人生には価値があります。
後悔ばかりの過去や不安だらけの未来のせいで今を台無しにしないでください。
今日を生きてください。まばゆいほどに。
あなたにはその資格があります。
誰かの母親であり姉妹であり娘であり、そして私だった、あなたたちへ…。」